この文章はフィクションであり実在の人物・団体とは何の関係もありません

2013年2月22日

*この文章はフィクションであり実在の人物・団体とは何の関係もありません

 私は、圧迫は必要ないと考えています。

 「絶対に報復されない」という上下関係の構図で起きるのが面接です。人事担当者が敬語間違えて学生にクビ切られますか? ビジネスで最も恥ずべきひきょうな行為です。不採用が嫌で、あるいは面接官やOBが嫌いになり、就職を諦めた仲間を何人も見ました。経済界にとって大きな損失です。

 面接官が怠けている証拠でもあります。

 内定で脅して学生を思い通りに動かそうとするのは、最も安易な方法。昔はそれが正しいと思われていました。

 でも、例えば、面接で失言した学生をけなして落とすと、次の面接はどうすると思いますか? 何とかして人事の印象を良くしようと、姿勢が縮こまります。それでは、正しい姿勢で答えられません。

 「姿勢がなってないよ。どうすればいいか、次の面接まで他の学生の面接を見て勉強してごらん」。そんなきっかけを与えてやるのが、本当の人事です。

 今はコミュニケーションを大事にした新たな面接法が研究され、多くの本で紹介もされています。学生が10人いれば、10通りの面接法があっていい。

 「この学生にはどういう声かけをしたら、採用か」。

 

 時間はかかるかもしれないけど、そう考えた面接が内定を増やすんです。

 「面接中に目を逸らすと落ちる」

 と信じられていたので、私は大学時代、先輩たちに隠れて夜の街をうろつき、メンチ切る訓練をした経験があります。警官の視線は常に私にありましたから。でも今、適度な視点移動は常識です。身振り手振り、道具も、話術も進化し、面接官だけが立ち遅れていると感じます。

 面接を受けた学生は、「何をしたら落とされないで済むだろう」という後ろ向きな思考に陥ります。それでは学生の自立心が育たず、指示されたことしかやらない。自分で仕事の判断ができず、よい社員にはなれません。そして、日常生活でも、社会で養うべき判断力や精神力を生かせないでしょう。

 「極限状態に追い詰めて成長させるために」と圧迫面接を正当化する人がいるかもしれませんが、怒鳴ってうまくなるなら誰もが一流社員になれます。

 私は、面接を受けなかった起業後に一番成長しました。「採用の表れなら怒鳴ってもよい」と言う人もいますが、私自身は面接に意味を感じたことは一度もありません。採られるかどうか分からない面接より、面接官が基準を示して伝えた方が確実です。

 日本の人事担当者は、面接に情熱を傾けすぎた結果、圧迫に及ぶ場合が多いように感じます。

 私も小学生から受験の世界を経験してきましたし、今も社会人に勉強を教えていますから、結果にこだわる気持ちは分かります。しかし、就職活動において、「内定」で産学が結びつく時代は終わりました。

 
 今回の残念な問題が、日本の経済界が変わる契機になってほしいと思います。

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